引田市井分解図(2025)
初めて引田を訪れたとき、あまりにも何もかもがわからなくて困った。
海と山と古い町並み。それらがきれいなのは間違いない。
ネットで調べると、手袋・ハマチ・醤油・ひなまつり・朝ドラと名産や名物は色々あるらしい。
しかし、それ以外のことはさっぱりわからない。
そんな気持ちで東かがわ市歴史民俗資料館を彷徨っていると、久米通賢という人物に出会った。
通賢は引田で生まれた偉人らしい。
塩田開発や武器の設計など、彼の偉業は多岐にわたるが、
ここ引田では伊能忠敬よりも早く、讃岐国最古の実測地図を制作したとされている。
実地の調査を経て、図解する。
通賢の姿勢にヒントを得た私は、この地域に住む人、
関わりがある人たちから話を聞き、彼らの記憶や想いを図解しようと思った。
地図が土地の形を浮き彫りにさせたように、それらは文化の形を浮かび上がらせるのではないか。
かつて農協として地域経済の基盤を作り、その後、水着の製造で価値を作っていた
このランリー工業で、今度は”引田記憶印刷所”として、この町の記憶を作ろうと思う。
最後に、特に気になった記憶や想いのカードを1つ持ち帰ってもらいたい。
あなたがこの町を巡るとき、思い出すときの標になることを願っている。
瀬戸内国際芸術祭
令和7年8月1日(金)~8月31日(日)
会場:香川県東かがわ市引田2397(ランリー工業跡地)
インクジェットプリント /OHP、紙

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